外資系ペットフードブランドの公式ECサイト売上改善施策

ポートフォリオ

プロダクトオーナーとして、外資系の業界トップレベルのペットフードブランドの売上改善戦略の策定から実行までを担当しました。チームを統括する立場でしたが、リソースが限られていたため、以下の企画は自ら主導して実行しました。

課題

担当開始前の1年間でビジネスが不調に陥り、売上はピーク時から30%減少し、新規顧客獲得数は70%減少、ロイヤルカスタマーの数も減少傾向にありました。

この期間に発生したイベントには、Webサイトのリニューアル、価格改定(値上げ)、コロナ期間の終了などがあり、原因の特定が困難でした。

Webサイトは本社開発部門で管理されており、コンテンツ変更や仕様の改善を頻繁に行うことができませんでした。

戦略&アクション

1. UX/UIの改善

新規顧客が探している製品を容易に見つけられるよう、トップページやカテゴリーページのコンテンツを改善しました。また、本社への依頼では納期が1ヶ月以上かかるため、日本側で迅速に編集できるようにサードパーティーツールを使用しました。

Webサイトリニューアル時にレビューコンテンツがすべて削除されたため、本社の開発が完了するまでの間、手動で製品ページに約1000件のレビューを追加しました。

特定の製品ページに動画を追加してコンテンツ不足を解消しました。

2. SEOの改善

複数のWebサイトを運営していたため、指名検索でのECサイトの順位が2位でした。メタタイトルやディスクリプションの最適化、オンページSEOを強化し、検索順位を1位に引き上げました。

リニューアル時に製品カテゴリーページの80%が削除され、検索順位が低下しました。本社開発部門と協力し、カテゴリーページを増やしました。

3. 広告運用の改善

目標を下回る売上と低いROASが課題でした。担当以前はSEM広告のみを使用、新規顧客に絞った配信という運用から、配信先を既存顧客にも広げ、認知系キャンペーン(Googleファウンド広告とYahooディスプレイ広告)も開始しました。

本社のデータ担当者へGoogleタグマネージャーでのトラッキング改善を依頼し、Google広告の自動入札設定をCPAからROAS優先に変更しました。

4. キャンペーンの実行

キャンペーンが行われていなかったため、パフォーマンス改善のために新規会員登録で500円クーポンを配布するなどのキャンペーンを企画・実施しました。

その他ノベルティキャンペーンやレビューキャンペーンなど、2ヶ月に1度の頻度で実施。

5. データ分析

Google Analyticsを活用していなかったため、トラッキングの不備の修正やダッシュボードを作成し、マーケティングチャンネル別のパフォーマンスを可視化しました。

APIを利用してGoogle Analytics、広告、ECデータをGoogleスプレッドシートに集約し、各アクティビティに対する指標の変化を週次でモニタリングしました。

ユーザーアンケートを実施し、7000件の有益なフィードバックを収集してユーザーの不満や離脱の理由を特定しました。「同じ製品を他のサイトで安く(30~40%)購入できる」という価格に関する課題を特定し、ドキュメントを作成して他部署へ交渉しました。

結果

6ヶ月の施策により、毎月の売上が約10~15%改善しました。

新規顧客獲得数は100%増加し、ロイヤルカスタマーの数は減少傾向から上昇傾向に転じ、担当開始前と比較すると約6%増加しました。

Case Study デジタルマーケティング事例