ChatGPT(チャットGPT)とは?使い方からビジネス活用まで
更新日: by Heysho
ChatGPTとは何か、どのように活用できるのかについて解説します。この記事では、ChatGPTの基本概念から実務での活用方法まで、幅広く紹介していきます。
多くの方がChatGPTのメリットやデメリット、具体的な活用事例について知りたいと思っているでしょう。
この記事では、ChatGPTを実務で効果的に活用するための質問例や使い方のポイントも含めて解説します。
この記事で分かること
- ChatGPT、GPTモデル、開発元OpenAIの概要
- 特徴とメリット
- 著作権に関する考慮点
- 得意分野と苦手分野
- 情報の参照元
- 利用料金体系
- アカウント作成方法と基本的な使い方
- ChatGPT以外のAIライティングツール
- GoogleスプレッドシートとChatGPTの連携方法
- 最新の開発動向
- 参考リソース
私自身、ChatGPTに非常に魅力を感じ、日々海外の技術動画や公式ドキュメントを通じて学習を続けています。
この記事は定期的に更新していく予定です。また、特定のトピックについては別記事でより詳しく解説していきますが、まずはこの記事で基本的な理解を深めていただければと思います。
ChatGPT(チャット ジーピーティー)とは?
ChatGPTは、AI研究開発企業「OpenAI」が開発したチャット形式の対話型AIです。
2022年11月30日に一般公開されてから、わずか5日間で100万ユーザーを突破するという驚異的な普及速度を見せました。
Webブラウザから簡単にアクセスでき、質問を入力するだけで、的確な回答を瞬時に生成してくれます。
Google検索との大きな違いは、一度の質問で終わるのではなく、会話形式で対話を続けながら、より具体的で適切な情報を引き出せる点にあります。
ChatGPTを実際に使う様子
実際の対話例を見てみましょう。
プロンプト例
ユーザー:プログラミングスクールのキャッチコピーを教えて
ChatGPT:「未来を担うエンジニアを育成。」 「最先端技術で未来を切り拓く」 「プログラミングのスキルを身につけ、夢の仕事への近道を開きます」 などが考えられます。
ユーザー:もっと短く
ChatGPT:「スキルアップで未来を切り拓け」 「未来のエンジニア育成」 「スキルで夢を叶える」 などが考えられます。
これは私が実際にChatGPTに質問した際のやり取りです。このように、追加の指示を出すことで回答を洗練させていくことができます。
AIの種類(モデル)
ChatGPTの基盤となっているAIは「モデル」と呼ばれています。
AIとは、インターネット上の膨大なテキストデータを学習し、それを基に文章生成や質問応答を行うことができるプログラムです。
現在のChatGPTは、「GPT-4」や「GPT-4.5」といった最新のAIモデルを搭載しています。
各モデルの学習データの出所についてChatGPTに質問したところ、以下のような回答がありました。
I'm sorry, but I do not have the specific sources where the data used for training the ChatGPT model was obtained. However, it is known that the data used to train the model came from a diverse range of internet text, including websites, books, and articles. It is worth mentioning that OpenAI has not published the exact source of the data used for training GPT-3/ChatGPT for privacy and legal reasons.
この回答によると、インターネット上のウェブサイト、書籍、記事など多様なソースからデータを収集しているものの、プライバシーや法的理由から具体的な情報源は公開されていないとのことです。
様々な情報源から学習データを収集し、独自の方法で処理・統合していると考えられます。
重要な点として、各GPTモデルは学習データの収集時点までの情報しか持っていないため、最新のニュースや時事問題については正確な情報を持っていない場合があります。
開発元「OpenAI」とは?
OpenAIは2015年にイーロン・マスクとサム・アルトマンによって設立された米国のAI研究開発企業です。
イーロン・マスクは2018年に同社を離れています。
組織構造としては、非営利団体の「OpenAI Inc」と営利事業体「OpenAI LP」から成り、OpenAI LPは2019年にMicrosoftとMatthew Brown Companiesから10億ドル(約1300億円)の投資を受けました。
現在はさらに100億ドル(約1兆3000億円)の追加投資を受け、Microsoftとの戦略的パートナーシップを強化しています。
主要プロダクトとしては、ChatGPTの基盤となる言語モデルGPT-4(2023年リリース)のほか、テキストから画像を生成するDALL-E 2(2022年リリース)などがあります。
ChatGPTの最新バージョンではGPT-4やGPT-4oといった高度なモデルが使用されています。
ChatGPTの成功により、OpenAIの企業価値は2024年現在で290億ドル(約3兆8000億円)に達していると言われています。
テクノロジー業界における急成長企業の代表例と言えるでしょう。
ChatGPTの特徴とメリット
情報へのアクセス効率の向上
ChatGPTは質問に対して即座に回答を提供するため、従来の検索エンジンと比較して情報取得の時間が大幅に短縮されます。
Google検索では「検索クエリの入力」→「検索結果一覧の確認」→「適切な記事の選択」→「記事内から必要情報の抽出」という複数のステップが必要ですが、ChatGPTでは一度の質問で整理された回答を得ることができます。
対話型インターフェースによる情報探索
ChatGPTの最大の強みの一つは、自然な会話の流れで情報を掘り下げられる点です。初めの質問から派生する疑問についても、文脈を維持したまま追加質問できます。
例えば「東京と大阪の住みやすさを比較して」と質問した後に、「それぞれの食文化の特徴は?」といった関連質問へとスムーズに展開できます。
豊富な知識ベース
Google HomeやAmazon Alexaなどの音声アシスタントと比較して、ChatGPTは格段に広範な知識を持ち合わせています。
専門的な質問や複雑な問い合わせに対しても、詳細かつ構造化された回答を提供できる点が大きな優位性です。
人間らしい応答品質
ChatGPTの回答は単なる情報提供にとどまらず、文脈に応じた適切な表現や、情報の確実性に関する誠実な言及を含みます。
例えば「将来のテクノロジートレンドを予測して」という質問に対しては、「将来の予測には不確実性が伴いますが、現在の技術動向から考えられる可能性としては...」といった形で、情報の限界を明示しつつ有益な考察を提供します。
倫理的配慮
ChatGPTは暴力的、差別的、あるいは不適切な表現を避けるよう設計されています。これはOpenAIが実装した安全対策の一環であり、過去に他社のAIチャットボットで発生した問題を回避するための重要な特徴です。
パーソナライズされた応答
会話の履歴を参照することで、ユーザーの関心事や文脈を理解し、より関連性の高い情報を提供できます。これにより、一般的な検索エンジンでは得られない、個々のニーズに合わせたサポートが可能になります。
著作権に関する考慮事項
ChatGPTの出力内容の商用利用については、著作権の観点から慎重な検討が必要です。OpenAIの利用規約には以下のような重要な条項があります。
利用規約の要点
- ChatGPTへの入力内容は、入力者が著作権を保有しているか、適切な使用権を持つコンテンツに限定される
- ChatGPTに入力されたコンテンツについては、OpenAIがサービス改善のために使用する権利を取得する
これらの条件から、以下のリスクに注意する必要があります:
- 第三者の著作物をChatGPTに入力することによる著作権侵害のリスク
- 自社の機密情報や独自コンテンツがOpenAIのシステム改善に利用される可能性
このような懸念から、多くの企業ではChatGPTの業務利用に関するガイドラインを設けています。例えばAmazonは社内で「機密情報をChatGPTに入力しないよう」注意喚起を行っています。
個人利用の場合でも、生成されたテキストをそのまま公開する際には注意が必要です。また、保護したい独自のアイデアや機密情報はChatGPTに入力しないことが賢明でしょう。
ChatGPTの得意分野と苦手分野
実際の使用経験から、ChatGPTが特に効果的に機能する領域と、やや制限のある分野について解説します。
得意分野
- 文章の要約、翻訳、校正作業
- 不慣れな領域や方向性が定まっていない状況での初期アドバイス
- プログラミングコードの作成支援や問題解決
- マーケティング向けキャッチコピーの複数案提案
- ビジネス英語メールの下書き作成
- 歴史的事実や統計データに関する情報提供
- 教育コンテンツの作成(特定トピックの解説や練習問題の生成など)
苦手分野
- 将来予測や市場動向の分析
- 最新の時事問題や2021年以降の出来事に関する情報
- 日本語特有の微妙なニュアンスや感情表現の完全な理解
- 100%事実に基づいた回答の保証(時に「ハルシネーション」と呼ばれる事実と異なる回答を生成することがある)
ChatGPTの料金プラン
- 無料プラン:基本機能が利用可能ですが、利用頻度や応答速度に制限があります。混雑時にはアクセスが制限されることもあります。
- ChatGPT Plus:月額20米ドル。高速な応答速度、混雑時の優先アクセス、最新機能への早期アクセスなどの特典があります。
- API利用:使用量ベースの従量課金制。自社サービスへの組み込みやカスタマイズが可能です。
アカウント登録手順
- STEP 1:公式サイト(https://chat.openai.com/auth/login)にアクセス
- STEP 2:メールアドレスを入力 → 「I'm not a robot」にチェック → 「Continue」をクリック
- STEP 3:必要情報を入力して登録を完了
ChatGPTの基本的な使い方
基本操作は直感的ですが、より効果的に活用するためには適切な質問の仕方(プロンプトエンジニアリング)を理解することが重要です。以下に実用的な例をいくつか紹介します。
実践的な活用例
マーケティング素材の作成
プロンプト例
質問:Facebook広告で、30代女性をターゲットに、次の商品の魅力を伝える広告文を3パターン作成してください:
商品:添加物を最小限に抑えた植物性プロテインパウダー(オーガニック原料使用)
ChatGPT:【パターン1】
「忙しい毎日も、健康は妥協したくない。あなたのためのクリーンプロテイン。添加物最小限、オーガニック原料100%の植物性プロテインで、美しさと元気を同時にサポート。今なら初回20%オフ。」
【パターン2】
「"添加物だらけ"それがプロテインの常識だった。その常識を変える、オーガニック植物性プロテイン。美容と健康を気にする30代女性に選ばれています。今すぐ詳細をチェック。」
【パターン3】
「身体に入れるものだから、妥協したくない。オーガニック原料から生まれた植物性プロテイン。添加物最小限で、カラダの内側から輝きをサポート。7日間トライアルセット発売中。」
ビジネスメールの作成
プロンプト例
質問:アパレルECサイトの注文確認・サンキューメールのテンプレートを作成してください。ブランドトーンはフレンドリーかつ丁寧で、顧客の期待感を高める内容にしてください。
ChatGPT:件名:【ご注文ありがとうございます】商品発送のお知らせ
○○様
この度は当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。
ご注文いただいた商品の発送準備が整いましたのでお知らせいたします。
■ご注文内容
注文番号:[注文番号]
商品名:[商品名]
サイズ/カラー:[詳細]
数量:[数量]
お届け予定日:[配送予定日]
商品がお手元に届きましたら、ぜひ着用感や印象をお聞かせください。
SNSでのシェアも大歓迎です!ハッシュタグ「#ブランド名」を付けていただくと、当アカウントでご紹介させていただくことも。
何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
○○様のお買い物体験が素敵なものになりますよう、心を込めてサポートいたします。
今後ともよろしくお願いいたします。
[ショップ名]カスタマーサポート
コンテンツ企画のサポート
プロンプト例
質問:健康食品ブランドのブログ記事として「植物性プロテインの効果と選び方」に関する記事構成を作成してください。SEO観点も考慮し、ユーザーの疑問に答える内容にしてください。
ChatGPT:【記事タイトル】
「植物性プロテインの効果と選び方完全ガイド|初心者でも失敗しない7つのポイント」
【記事構成】
1. はじめに
- 植物性プロテインの人気が高まっている背景
- 本記事で解決できる悩み
2. 植物性プロテインとは
- 動物性プロテインとの違い
- 主な原料(大豆、エンドウ豆、玄米、ヘンプなど)
3. 植物性プロテインの6つの健康効果
- 筋肉の維持・増強効果
- 消化吸収の特徴
- アレルギーリスクの低さ
- 環境への配慮
- 美容効果
- 持続可能な食生活への貢献
4. 植物性プロテインの選び方7つのポイント
- タンパク質含有量をチェック
- アミノ酸スコアを確認
- 添加物の有無
- 原材料の品質(オーガニック認証など)
- 溶けやすさと飲みやすさ
- 価格と継続しやすさ
- ブランドの信頼性
5. 目的別おすすめの植物性プロテイン
- ダイエット向け
- 筋トレ向け
- 美容目的
- アスリート向け
6. 植物性プロテインの効果的な摂取方法
- 1日の摂取タイミングと量
- おすすめの組み合わせレシピ3選
- 継続するためのコツ
7. よくある質問(FAQ)
- 「植物性プロテインだけで十分な筋肉がつくの?」
- 「お腹が緩くなることはある?」
- 「妊娠中・授乳中でも安全?」
- 「賞味期限と保存方法は?」
8. まとめ
その他の活用例
- タスク分解:「フリーランスとして独立するためのステップを具体的なタスクに分解してください」
- イベント企画:「デジタルマーケティングの勉強会(3時間)のタイムスケジュールと進行内容を提案してください」
- 文章要約:「以下の長文を300字程度に要約してください:[長文]」
- 箇条書きの文章化:「以下の箇条書きを自然な流れのある文章にしてください:[箇条書き]」
- 知識の整理:「TikTok広告の特徴と効果的な運用方法について体系的に説明してください」
- コンテンツ作成:「ChatGPTに関する解説記事の構成と内容を作成してください」
- アイデア出し:「サステナビリティをテーマにしたブログ記事のタイトル案を10個提案してください」
ChatGPTのAPIの活用方法
2023年3月2日、OpenAIはChatGPTの基盤となるAIモデルをAPI経由で利用できるようにリリースしました。これにより、開発者はさまざまなサービスやアプリケーションにChatGPTの機能を統合することが可能になりました。
APIを活用することで、GoogleスプレッドシートやLINE、Slackなどの既存のプラットフォームとChatGPTを連携させ、業務効率化やユーザー体験の向上を図ることができます。
以下では、具体的な活用例をいくつかご紹介します。
GoogleスプレッドシートとChatGPTの連携
GoogleスプレッドシートとChatGPT APIを連携させることで、スプレッドシート上でAIによる文章生成や分析が可能になります。データ入力セルに対して自動的に回答を生成したり、大量のテキストデータを効率的に処理したりすることができます。
LINEボットとしてのChatGPT実装
ChatGPT APIをLINEボットと連携させることで、ユーザーはLINEというなじみのあるインターフェースからChatGPTの機能にアクセスできるようになります。技術的な実装にはある程度のプログラミング知識が必要ですが、一度構築すれば手軽にAIとコミュニケーションを取ることが可能です。
PythonによるChatGPT API活用
Python言語を使用してChatGPT APIを実装することで、Webアプリケーションやカスタムソリューションの開発が可能になります。特にデータ分析や自然言語処理を伴うプロジェクトにおいて、高度なAI機能を組み込むことができます。
エラー発生時の対処法
ChatGPTを利用している際にエラーメッセージが表示されることがありますが、主に以下の原因が考えられます。
- サーバー負荷とネットワーク接続の問題:利用者が多い時間帯やネットワーク状況によってはサービスへの接続が不安定になることがあります。
- コンテンツポリシーに関する制限:AIが十分な情報を持っていない場合や、センシティブな内容を含む質問に対しては回答が制限されることがあります。
サーバー負荷の問題は、時間をおいて再度アクセスすることで解決できることが多いです。
コンテンツポリシーに関する制限の場合は、質問の表現や内容を変更することで解決できる場合があります。また、日本語よりも英語でのクエリの方がより豊富なトレーニングデータに基づいた回答が得られることがあります。
AI生成テキストの検出方法
教育機関や企業において、AIによって生成されたコンテンツの識別は重要な課題となっています。OpenAIは、テキストがAIによって生成されたものかどうかを検出するためのツールを無料で提供しています。
このようなAI検出ツールは完璧ではありませんが、AIが生成したコンテンツの特徴的なパターンを識別する手助けとなります。教育現場や専門的なコンテンツ制作において、オリジナリティを確保するための一助となるでしょう。
まとめ
ChatGPT APIの登場により、AIの活用範囲は大きく広がりました。既存のサービスとの連携や独自のアプリケーション開発を通じて、業務効率化や新たな価値創造が可能になっています。
本記事が皆様のChatGPT活用の一助となれば幸いです。より詳細な使い方のコツについては、関連記事もご参照ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。