調査:Google検索順位が高いほどAI Overviewに言及・引用されやすくなるのか
公開日: by Heysho
SEOとGEO/AI検索には深い関係があると言われています。
ただ個人的に気になっていたのは、実際のところ、どれくらい関係しているのか?という点でした。
たとえばSEOで検索順位を上げることがAI Overviewでの表示にもつながるのであれば、具体的に何位くらいまでを目指すべきなのか。
1位を取ることが重要なのか。それともTop 5に入れば十分なのか。あるいはTop 10でもAI Overviewに表示される可能性はそれほど変わらないのか。
このあたりを、実際のデータを使って確認してみることにしました。
今回調べたのは、Googleの自然検索順位とAI Overviewでの「言及」と「引用」が、どの程度重なっているのかという点です。
調査では日本語の5つのカテゴリを対象に、それぞれ検索需要のある商品カテゴリからキーワードを抽出し、「おすすめ」系のクエリを合計1,000件用意しました。
そして、それぞれのキーワードでGoogle検索を行い、AI Overviewが表示されたキーワードについて、
- 自然検索1位のブランドやページは、AI Overviewにも登場しているのか
- 2位、3位、4位……と順位が下がるにつれて、その割合はどう変わるのか
- Top 5、6〜10位、11〜15位では、どれくらい差があるのか
を調べました。
Google検索で上位にいることはAI検索時代にも本当に重要なのか?という問いを、実際のデータから検証していきたいと思います。
※ 本調査はSearchApiのスポンサーシップを受けてデータ取得用APIクレジットの提供を受けて実施しました。調査設計、データ処理・分析、結果の解釈および記事内容については、筆者が独立して行なっています。
1. 調査結果
1.1. Google検索順位とAI Overviewでの言及率の関連性
まず、AI Overviewでの言及率から見ていきます。
ここでいう「言及率」とは、Google検索に表示されているブランドが、同じキーワードのAI Overview本文の中でも言及されているかを調べています。
結果は以下の通り。
Google検索で1位に表示されているブランドが、同じキーワードのAI Overviewでも言及されていた割合は20.6%でした。
多少のばらつきはあるものの、全体としては、自然検索の順位が高いほどAI Overviewでも言及されやすいという傾向が見えています。
順位を5つずつのグループに分けて比較した表が以下の通りです。
| 自然検索順位 | AI Overviewでの言及率 |
|---|---|
| 1〜5位 | 12.9% |
| 6〜10位 | 5.7% |
| 11〜15位 | 2.9% |
この結果を見る限り、単に「検索結果の1ページ目、つまりTop 10に入ればいい」というよりも、Top 5に入っているかどうかで、AI Overviewでの言及されやすさにもかなり違いがあることが分かります。
1.2. Google検索順位とAI Overviewでの引用率の関連性
次に、AI Overviewでの引用率を見ていきます。
ここでいう「引用率」とは、Googleの自然検索に表示されているページと同じURLが、AI Overviewの参考情報・引用元として掲載されている割合のことです。
AI Overviewを見ると、AIが生成した回答の周辺に、回答の根拠となった記事やWebページへのリンクが表示されています。今回は、その引用元の中に自然検索に表示されたURLと同じものが含まれているかを調べました。
結果は以下のとおりです。
自然検索1位のURLは52.3%、つまり半分以上のケースでAI Overviewにも引用されていました。
2位では45.3%、3位では36.7%と下がり、さらに5位では23.9%、10位では6.4%、15位では1.4%まで低下しています。
もちろん一部の順位では多少の上下がありますが、全体として見ると、自然検索の順位が高いページほど、AI Overviewでも引用されやすい傾向がかなりはっきりと出ています。
グループ別に見ると、以下の通りです。
| 自然検索順位 | AI Overviewでの引用率 |
|---|---|
| 1〜5位 | 38.0% |
| 6〜10位 | 11.4% |
| 11〜15位 | 3.3% |
1〜5位の引用率は38.0%で、6〜10位の11.4%と比べると約3.3倍です。
先ほどの言及率では1〜5位と6〜10位の差が約2.2倍だったので、今回のデータでは、ブランドの言及以上に「同じURLが引用されるかどうか」のほうが、自然検索順位との関係がより強く表れていました。
1.3. 言及率と引用率の比較
今回の結果を見る限り、AI Overviewで引用されるという観点では、単にTop 10に入るだけではなく、Top 5、さらに上位を目指すことに大きな意味がある可能性があると言えそうです。
ちなみに相関係数を調べたところ、Rank 1〜15の順位別Rateで数値化すると言及率の順位相関係数は-0.94、引用率は-0.99でした。
Rankは数字が大きいほど下位を表すため、検索順位が上位であるほど言及率・引用率が高いという関連性を示しています。
※これは15個の順位別集計値に基づく相関であり、因果関係を示すものではありません。
2. 調査のインサイト
2.1 検索順位と引用率の関連性は強い
今回の結果を見て、まず強く感じたのは、自然検索の順位とAI Overviewでの引用には、かなり明確な関連があるということです。
Google検索で順位が高いページほど、AI Overviewでも参照リンクとして引用される割合が高くなっていました。
特に1位のページは52.3%の割合でAI Overviewにも引用されており、2位は45.3%、3位は36.7%と、順位が下がるにつれて引用率も大きく低下しています。
2.2 ブランドの言及でも検索順位との関連が見られた
ブランドの言及率についても、自然検索順位が高いほど、AI Overviewの本文内で言及されやすい傾向が見られました。
ただし、引用率と比べると、検索順位との関係はやや弱いように見えます。
1〜5位の言及率は12.9%、6〜10位では5.7%、11〜15位になると2.9%まで低下しています。
個人的には、これは予想以上に低い数字でした。
この結果を見る限り、AI Overview内でブランドが言及されるかどうかには、検索順位だけでは説明できない別の要因も大きく影響している可能性があります。
私自身これまで複数のAI検索結果を継続的に観察してきましたが、Google検索ではそれほど強くない一方で、AI検索では頻繁に言及されるブランドが存在します。
YouTubeやInstagramなどでインフルエンサーに取り上げられる機会が多かったり、SNS上で話題になりやすかったりするブランドが、その一例です。
一方でGoogle検索では高い順位を獲得しているものの、AI検索では相対的に存在感が弱いブランドもあります。
もちろん、現時点ではあくまで観察ベースの仮説ですが、AI検索におけるブランド言及には、検索順位以外にも、SNSや動画コンテンツ、Web上でのブランド露出など、さまざまなシグナルが関係しているのかもしれません。
このあたりについては、今後あらためてデータを使って調査してみたいと思います。
2.3 関連性の理由1:AI Overviewの回答生成自体にGoogle検索が使われている
なぜ自然検索順位とAI Overviewの引用率には、これほど強い関連性が見られるか考えてみたいと思います。
理由の一つとして考えられるのが、AI OverviewやAI Modeの回答生成にGoogleの検索システムそのものが使われていることです。
Googleの公式ドキュメントによると、AI OverviewとAI Modeでは、関連する複数のサブトピックやデータソースに対して検索を行う「Query Fan-out」という手法が使われる場合があります。
仕組みをイメージすると、例えば「Tシャツ おすすめ」というキーワード検索であれば、
- 20代 男性 Tシャツ おすすめ
- 30代 女性 Tシャツ おすすめ
- カジュアル Tシャツ おすすめ
- フォーマル Tシャツ おすすめ
といったように、元の質問を複数の観点に分解し、それぞれについて検索を行い、取得した情報をもとに回答を生成します。
つまりAI OverviewはGoogle検索とは完全に独立したシステムではなく、回答を生成する過程でGoogle検索を利用してWeb上の情報を収集しているということです。
この仕組みを考えると、さまざまな関連キーワードでGoogle検索の上位に表示されているWebサイトほどQuery Fan-outによる情報収集の中でも参照される機会が増える → AI Overviewにも引用されやすくなる、というのは自然な流れだと考えられます。
一方で、今回の調査では自然検索1位のURLであってもAI Overviewでの引用率は52.3%でした。
もしAI Overviewがユーザーの入力したキーワードの検索結果をそのまま利用しているだけであれば、検索順位と引用元はもっと高い割合で一致しているはずです。
それでも完全には一致しないのは、AI Overviewが元のキーワードだけを見るのではなくQuery Fan-outによって複数の関連クエリを検索し、そこから情報を集めていることが一つの理由として考えられます。
つまりGEOの観点では、一つのキーワードで1位を取ることだけではなく、そのテーマ周辺のさまざまな検索意図に対して継続的に上位表示されることが、AI検索で参照される可能性を高める要因の一つになるのではないかと考えられます。
2.4 ブランド言及は「検索順位」だけでは決まらない
一方で、ブランド言及については少し違った見方が必要だと思います。
今回の調査ではGoogle検索順位が高いブランドほどAI Overviewでも言及されやすい傾向は確認できたものの、その関連性はURL引用ほど強くありませんでした。
これはAI Overviewが「どのWebページを情報源として使うか」と「最終的な回答の中でどのブランドをおすすめするか」で情報の選ばれ方が異なる可能性を示しています。
AIがブランドを回答の中で紹介する際には、特定の検索結果に表示されたブランドをそのまま選ぶのではなく、学習済みの知識(トレーニングデータ)や、Query Fan-outによって取得した複数のWebページの情報などを組み合わせながら回答を生成しています。
たとえば、Query Fan-outによって10個、20個と関連する検索を行った際に、多くのWebサイトで繰り返しおすすめされているブランドがあれば、そのブランドはAIから見ても「このテーマでよく推奨されているブランド」と認識されやすくなります。
そう考えると、ブランド言及を増やすために重要なのは自社サイトをGoogle検索で上位表示させることだけではなく、
- 比較記事でおすすめされる
- メディアの記事で紹介される
- YouTubeなどの動画で取り上げられる
- SNSで継続的に話題になる
- さまざまなWebサイトでポジティブな文脈で言及される
といった形でWeb全体で「このテーマならこのブランド」という評判や認知を作っていくことが重要になってきます。
まとめると、SEOやGEO/AI検索での引用が「自社のページを検索結果で見つけてもらう」ための取り組みだとすれば、GEO/AI検索での言及ではそれに加えて「Web上のさまざまな場所で自社ブランドがおすすめされる状態を作る」という視点が重要になるということになります。
2.5 関連性の理由2:SEOとAI検索には共通する「評価されやすい情報」がある
もう一つ考えられるのが、Google検索とAI検索の両方から選ばれやすいWebサイトやブランドには共通する特徴があるという可能性です。
Google検索と生成AIは同じ仕組みで動いているわけではありませんが、どちらもユーザーの質問や検索意図に対して、関連性が高くて役に立つ情報を提示しようとしている点では共通しています。
そのため、たとえば次のような特徴を持つWebサイトやブランドはGoogle検索でもAI検索でも選ばれやすくなる可能性があります。
- 特定のテーマについて豊富で専門性のある情報を持っている
- コンテンツとユーザーの検索意図との関連性が高い
- 情報が整理されていて理解しやすい
- 複数のWebサイトや媒体で継続的に言及・紹介されている
- その分野で一定の認知や評価を得ている
つまり、「Google検索順位が高い → AI検索でも表示されやすい」という一方向の関係だけではなく、「評価されやすい共通の特徴を持っている → Google検索でもAI検索でも表示されやすい」という構造も考えられます。
そのため、SEOとGEOを「同じもの」あるいは「まったく別のもの」と捉えるよりも、両者には共通する基盤があり、その上にAI検索特有の情報取得・選択の仕組みが存在していると考えられます。
3.調査の設計と分析手法
ここからは、今回の調査をどのように行ったのかについて説明します。
3.1. 調査したキーワード
まず、今回の調査では以下の5つの業界を対象にしました。
- 美容
- ファッション
- 家電
- スポーツ・アウトドア
- 家具
それぞれの業界について、商品カテゴリーに関連するキーワードを検索ボリュームの多い順に200個ピックアップし、そこに「おすすめ」という言葉を組み合わせました。
たとえば、「Tシャツ」であれば「Tシャツ おすすめ」、「ドライヤー」であれば「ドライヤー おすすめ」といった形です。
これを5業界それぞれ200件ずつ用意したため、データセットとしては合計1,000キーワードになります。
ただし、業界をまたいで重複しているキーワードもあったため、ユニークなキーワード数としては972件でした。
この972キーワードについて、SearchApiを通じてGoogle検索結果を取得し、そのうちAI Overviewを正常に取得・解析できた700キーワードを今回のメイン分析の対象としています。
3.2 Google検索の取得条件
Google検索とAI Overviewの取得条件は以下のとおりです。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 検索エンジン | Google(google.co.jp) |
| 地域 | Japan(gl=jp) |
| 言語 | 日本語(hl=ja) |
| デバイス | Desktop |
| 取得ページ | Google検索結果の1〜2ページ目 |
| 分析対象順位 | 自然検索1〜15位 |
| AIOの参照リンク | 検索結果1ページ目から取得 |
自然検索については2ページ目までデータを取得しています。
ただ、Googleの検索結果では、必ずしも1ページに自然検索結果が10件表示されるわけではありません。8件や9件しか表示されないケースも多く、17位、18位、19位、20位になるにつれて取得できるクエリ数が少なくなっていました。
そのため、順位ごとの母数をできるだけ揃えて比較できるように、今回のメイン分析では1位から15位までを対象としています。
3.3 検索結果の取得にはSearchApiを利用

今回、Googleの検索結果とAI Overviewのデータ取得には、SearchApiというAPIサービスを利用しました。
SearchApiは、Googleの検索結果やAI
OverviewなどのSERPデータをAPI経由で取得できるサービスです。本調査では、自然検索結果の構造化フィールド、AI
OverviewのMarkdown、参照リンク用フィールドを取得し、gl=jp、hl=ja、Desktopという条件でデータを収集しました。
もちろんAPIサービスなので、基本的にはプログラムから呼び出してデータを取得する必要があり、ある程度の技術的な知識は必要です。
ただ最近はCodexやClaude CodeのようなコーディングAIがかなり使いやすくなっているので、以前と比べるとAPIを使ったデータ取得のハードルはかなり下がってきています。
これからのデータ分析は「SaaSのダッシュボードを見る」だけではなく、「API × コーディングAI」で必要なデータを自分で取得・加工する形が増えていくのではないかと思いますので、興味がある方は試してみてください。
3.4 「言及率」の定義
今回調べた1つ目の指標が、言及率(Mention Rate)です。
自然検索に表示されているブランドが、同じキーワードのAI Overview本文の中でも言及されているかを調べています。
ただし、ここで少し難しかったのがブランド名の表記揺れです。
たとえば、同じブランドでも、
- 英語表記とカタカナ表記
- 正式名称と略称
- スペースの有無
- 大文字・小文字の違い
などによって、AI Overviewと自然検索で違う名前が使われるケースがあります。
そのため今回は、ブランド名の表記パターンをまとめた辞書を作り、表記が多少違っていても同じブランドであれば一致するように名寄せを行いました。
3.5 「引用率」の定義
もう1つの指標が、引用率(Exact URL Citation Rate)です。
AI Overviewでは、AIが生成した回答の周辺に、回答の参考情報としてWebページへのリンクが表示されています。
今回は、そのAI Overviewの参照リンクと、Googleの自然検索にランクインしているページのURLを比較しました。
つまり、「自然検索に表示されているページと、まったく同じURLがAI Overviewでも引用されているか」を調べています。
同じWebサイトの別ページが引用されていた場合ではなく、URLを正規化したうえで同じページが引用されていた場合のみ一致としてカウントしています。
4. 今後の展望
今回のようなリサーチは、今後も継続して行っていきたいと思っています。
今回は、Googleの自然検索結果とAI Overviewの関係に絞って調査しましたが、今後はAI OverviewだけでなくGoogle AI Mode、ChatGPT、Geminiなど複数のAI検索・生成AIを比較することで、それぞれのサービスでどのようなブランドやWebサイトが言及・引用されやすいのかを調べてみたいと思っています。
またブランド言及に影響を及ぼす可能性のある媒体をGoogle検索から、YouTubeやSNSなど、他の媒体にも広げてその影響力を計っていければと思います。
5. 備考
5.1. データ利用・引用について
本記事の文章、図表、分析表現等のうち、筆者が著作権その他の権利を有するものについては、法令上認められる範囲を除き、無断転載・再配布をお控えください。
記事、レポート、SNS、プレゼンテーションなどで本記事の内容を引用・紹介いただくことは歓迎しています。その際は、出典として本記事へのリンクと著者名「Heysho」の記載をお願いします。
なお、数値その他の事実データ自体には、著作権が及ばない場合があります。本項は、著作権法その他の法令上認められている引用・利用を制限するものではありません。
図表の転載、まとまったデータの再配布、大規模なデータ利用、商用目的での二次利用をご希望の場合は、事前にご連絡ください。
5.2. 調査の注意点
本調査は、調査時点における日本語・日本地域・Desktop環境の商品カテゴリに関する「おすすめ」系クエリを対象とした探索的分析です。
検索結果やAI Overviewは時期、地域、ユーザー環境等によって変化する可能性があります。
また、本調査で確認しているのは検索順位と言及率・引用率の関連性であり、検索順位がAI Overviewへの言及・引用を直接引き起こす因果関係を示すものではありません。
また本調査はGoogle LLCとは独立して実施したものであり、Googleによる承認、後援または公式見解を示すものではありません。
5.3. お礼
最後に、本調査をスポンサーしていただき、データ取得用のAPIクレジットをご提供いただいたSearchApiにあらためて感謝申し上げます。
今回のように約1,000キーワード規模でGoogle検索結果とAI Overviewのデータを収集・分析するには、安定してSERPデータを取得できる環境が必要でした。SearchApiのサポートにより、今回の調査を実施することができました。
なお、調査設計、データ処理・分析、結果の解釈および結論については、すべて筆者が独立して行っています。