ふきげん猫ちび
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このような声にお答えするために、以下の内容について解説していきます。
- SEOレポートの重要性
- 一般的なSEOレポートに含まれる項目
- SEOレポートのフォーマット(テンプレート)
- 大規模サイトのSEOレポートの例
- 各項目のトラッキングに必要なツール
- 参考にしたいレポートの例
- その他Q&A
僕は2020年から大手企業のSEOマネージャーとして働いているのですが、自分がスキルを大きく伸ばすことが出来たのはこの部分と言っても過言ではありません。
社長+各部署のリーダーを始めとする50人くらいの前で、2カ月に1回SEOレポートのプレゼンを行いました。
ヘイショー
理由としてはこだわりのテンプレを使っていたことが原因ではないかと予想しているのですが、今回はそのノウハウを共有させていただきます。
ヘイショー
目次
SEOレポートの重要性
インハウスのSEO担当として他部署にSEOレポートを共有するアクティビティはとても大切と考えていて、理由は以下の通りです。
- 現在のSEOはチーム単体で強化できる内容に限界があり、他のチームとの協業が必要なケースが多いため
→ SEOレポートを他のチームと共有して、他のチームがSEOのスコアアップに貢献していることを伝えることにより、他チームにSEOを意識したアクティビティを行ってもらえるようになる - SEOはその重要性の割に低く評価されやすく、存在感をアピールしないと優先順位を上げてもらえないケースが多い
- SEOは内容が難しいため、しっかりとレポートしないと「あの人何やってるか分からない」と周囲に思われてしまう
今までいくつかのチームに在籍してきたのですが、しっかりとSEOのレポートを出来ているSEO担当は少なかったです。
ヘイショー
一般的なSEOレポートに含まれる項目
初心者編
以下の4つの項目がもっとも一般的です。
- Google Search Consoleレポート
- 検索結果からのインプレッション
- 検索結果からのクリック数
- Googleアナリティクスレポート
- オーガニック検索からのトラフィック
- 検索順位トラッキングツール(GRCなど)
- ターゲットキーワード(100~1000個)の検索順位
ヘイショー
関連記事 Google Analytics(アナリティクス)とは?導入方法、機能紹介など
関連記事Google Search Console(サーチコンソール)とは?初心者向け解説
中級者編
専属のSEO担当が付く場合は、もうすこしメトリックスを増やしても良いかもしれません。
- Google Search Consoleレポート
- テクニカルエラーの数
- Web Core Vitalのスコア
- Googleディスカバーのレポート
- Googleアナリティクスレポート
- オーガニック検索からのコンバージョン
関連記事 Google砲とは?対策、条件、コツ、効果、確認方法など
上級者編
- SEOツール(SEMRush、Ahrefなど)
- 被リンクの数
- サイテーションの数
- コンテンツマップ
- 各ページのトラフィックなどを見る
- Webpagetest.org
- 特定のページのパフォーマンスを計測する
関連記事 コンテンツマップとは?SEOに強いサイト運用の方法
関連記事 WebPageTestの使い方【サイト表示高速化の計測ツール】
ターゲットキーワードが多すぎての検索順位の報告が難しい問題
SEO担当というのは1000個くらいのターゲットキーワードをモニタリングしていたりするのですが、「エクセルに落として共有する」という方法が使えない場合、これを簡潔にレポートするのは難しかったりします。
そんな場合は、「1~3位までにランクインしているキーワードの数」を数えて報告するのが良いと思います。
ただ全て数えるとタイポとかよく分からないキーワードが含まれてしまうので、「10クリック以上」みたいな感じでフィルタリングする必要があります。
SEO月次レポートのテンプレート・サンプル
こちらは僕の実験用サイトの実際のデータです。
ヘイショー
- 今月の数値>前月比の数値の場合→「今月の数字は前月比〇〇%上がりました」
- 今月の数値>前年比の数値の場合→「今月の数字は前年比〇〇%上がりました」
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ちなみに1つ1つのセルにマニュアルで入力することはせず、Google Analyticsのアドオン+Vlookup、マクロなどを使ってある程度自動化する必要があります。
関連記事 スプレッドシート+GoogleアナリティクスAPIアドオンの使い方
自動でレポートしてくれるツールはある?
いくつかのSEOツールがレポーティングの機能を提供しています。
過去に使用したツールの中では、SEMRushやCondoctorのレポート機能が優秀でした。
ヘイショー
大規模サイトのインハウスSEOチームがシニアマネージャーに報告する時のフォーマット
大規模サイトのSEOレポートは少し複雑で、ブランディング、広告、SNS、自社サイトのUX変更など、いろいろな要素から影響を受けます。
僕は各チームからのSEOスコアへの貢献を認知してもらいたかったので、以下の項目をレポーティングしていました。
- 認知の拡大
- ブランド名のサイテーションや検索ボリュームなど
- 被リンクの数
- 検索順位(一般系など、ファネルの始まりのジャンル)
- サイトのアクティビティに関わる指標
- オーガニック・トラフィック
- 参照トラフィック
- 新規のオーガニック・ユーザー
- 検索順位(指名系など、ファネルの真ん中のジャンル)
- 売り上げ増加への貢献
- オーガニック・トラフィックのPages/Session
- オーガニック・トラフィックのサイト滞在時間
- 検索順位(指名系のCVが出るキーワードなど)
- その他
- コンテンツマップ
- ページスピードレポート
- Google Discoverレポート
その他を除くと3つのフェーズに分けているのですが、フェーズによって関わる部署が変わるので各部署の人にも同じKPIを持ってもらうのが良いです。
各フェーズで他部門と関わる内容は以下の通り。
認知の拡大
ここではブランディング、PR部門などと関わります。
PR部門とはアウトリーチの活動で連携が必要になりますし、ブランディングチームとはエディトリアル系記事の投稿などで関わります。
サイトのアクティビティに関わる指標
これはWebサイトの活動が活発であればあるほどスコアが上がります。
例えば、広告でディスプレイ広告の予算を増やすと、オーガニック・トラフィックが増えたりもします。
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売り上げ増加への貢献
ここではUXやCRO(コンバージョンレート最適化)、Eコマースチームなどと連携が必要です。
各項目のトラッキングに必要なツール
Googleアナリティクス
以下の項目を調べることが出来ます。
- オーガニック・トラフィック
- 参照トラフィック
- 新規のオーガニック・ユーザー
- オーガニック・トラフィックのPages/Session
- オーガニック・トラフィックのサイト滞在時間
関連記事 Google Analytics(アナリティクス)とは?導入方法、機能紹介など
SEMRush、Ahref、UberSuggestなど
これらのツールで以下の項目を調べます。
- 被リンクの数
- 検索順位
検索順位は日本ではGRCで行っている人が多いですが、僕は面倒なのでSEMRushで見るか、Google Search ConsoleのデータをエクスポートしてGoogle Sheetでレポートを作ります。
GRCは個人で仕事をする場合は問題ないのですが、外資系企業でチームで作業する時に少し支障がありました。
関連記事 SEMRush(セムラッシュ)とは?評判と使い方
関連記事 SEOツール「Ahref」のレビュー、感想、使い方など
関連記事 Ubersuggset(ウーバーサジェスト)とは?評判&使い方
ブランド名のサイテーション、検索ボリュームを調べる方法
ここはブランドの認知度を図る項目ですが、どのメトリックスを図るかは会社によります。
- Google検索結果でのサイテーションを測る方法
- “★ブランド名★”-site:★サイトのURL★(例:Nike-site:https://www.nike.com/)
- ソーシャルメディアでのオンラインメンションを測る方法
- Conductor、Ahrefなどで確認
- ブランド名の検索ボリュームを測る方法
- GoogleトレンドやGoogle Search Consoleのインプレッション(1位を継続的にキープできているキーワードに限定)
- SEOツールの検索ボリュームは不正確なのでレポーティングには向かないです
ヘイショー
参考にしたいレポートの例
予測値を自動で出力してくれるレポート
予測値を自動で、グラフで表示してくれるレポートです。
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参考 SEO Forecasting in Google Sheets | Moz
Ahrefが配布しているテンプレ
どちらかと言うとSEO会社向けの内容になると思いますが、Ahrefを使っている人はこちらをベースにしても良いと思います。
参考 私たちのSEOテンプレートを盗もう | Ahrefオフィシャルブログ
よくある質問
Google Data StudioとGoogle Sheetはどちらが使いやすい?
Google Sheetです。
僕は以下の理由でGoogle Sheetの方を利用しています。
- 読み込みが早い
- データのソース元が分かる
- カスタマイズしやすい
- デジタルに疎い人だと、エクセルのフォーマットが好まれる
逆にGoogle Data Studioは以下の弱点があります。
- 読み込みが遅い
- データのソースが分からない(よく「これどこのデータ?」っていう話になる)
- 修正に時間がかかる
- 意外に一般ウケが悪い
直接聞いたわけではありませんが、広告代理店の人がGoogle Data Studioを使う理由は①コピーできないので課金し続けられる②修正依頼にもあるていど課金できる③ノーメンテで課金できる、みたいな理由があると思っています。
ヘイショー
リスティング広告、ディスプレイ広告はSEOのスコアに影響するのか?
間接的に影響すると言われています。
よく広告チームや広告代理店の担当者が、「俺たちがインプレッションを伸ばしているからSEOの数字にポジティブな影響を与えてるんだ」とマウントを取ってくる場面があったので調べてみました。
参考 How Google AdWords (PPC) Does and Doesn’t Affect Organic Results | Moz
ヘイショー
理由は以下の通り。
- ブランドの広告を一度でも目にしたことがある人は、検索結果からブランドの公式サイトをクリックしやすいかもしれない
- 過去に広告経由でブランドの公式サイトを訪問した人は、次のオーガニック検索からの流入ではエンゲージしやすいかもしれない
- 被リンク、サイテーション、ソーシャルのシェアにつながる可能性がある
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さらに、SEMRushが発表したレポートによると指名検索数はSEOのランキング要因でもっとも重要な指数だと言及しています(多くの批判があったようですが)。
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まとめ
マニアックなトピックになりましたが、レポーティングはこだわれば深いのでこれからも勉強していきたいと思います。
ヘイショー