Webサイト高速化の方法。手法と計測ツールを紹介
更新日: by Heysho

Webサイトの表示速度は、ユーザー体験とSEOにおいて非常に重要な要素です。表示が遅いサイトはユーザーの離脱率を高め、検索エンジンからの評価も下がってしまいます。
本記事では、企業Webサイトを高速化するための実践的な手法と、効果を正確に測定する方法を解説します。
本記事の構成
- Webサイト高速化の具体的な手法
- パフォーマンス測定の重要指標
- おすすめの測定ツール比較
- 企業サイトへの実装ステップ
この記事は、企業サイトの運営担当者や開発チームが、サイト高速化プロジェクトを効率的に進めるための実践的なガイドです。
Webサイト高速化の手法
1. 画像の最適化(リサイズと圧縮)
画像最適化は、即効性の高い改善策です。特に複数担当者がCMSでコンテンツを更新する環境では、適切なガイドラインがないと大容量画像がアップロードされ、表示速度を著しく低下させます。
推奨ツールと実装手順
Screaming Frog SEO Spider(500ページまで無料)を使えば、サイト全体の画像を一括収集し、サイズ順に並べられます。容量の大きい画像から優先的に、JpegminiやTinyPNGなどで最適化しましょう。
メリット:コーディングやデザイン変更が不要なため、社内承認を得やすく、迅速に実装できます。
2. WebPフォーマットの導入
WebPはGoogleが開発した画像フォーマットで、JPEGやPNGと同等の画質を保ちながら、ファイルサイズを約30%削減できます。
改善事例
画像を多用するランディングページで、WebP導入により3G環境でのロード時間が30秒から10秒に短縮され、コンバージョン率が大幅に改善した事例があります。
参考 画像フォーマットWebP(ウェッピー)について詳しく調べてみた|WebP編 | LIG3. 不要なJavaScriptファイルの整理
大規模サイトでは、過去の開発で使われなくなったJSライブラリやプラグインが残り続け、表示速度を遅くする原因になっています。
効果的な整理方法
- コード監査:未使用スクリプトの特定と削除
- A/Bテスト管理:テスト終了後のコード削除を徹底
- ライブラリ統合:類似機能を持つライブラリの一本化
4. CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の導入
CDNは世界中に分散したサーバーネットワークを通じて、ユーザーに最も近いサーバーからコンテンツを配信するシステムです。画像、CSS、JavaScriptなどの静的リソースの配信が大幅に高速化されます。
推奨理由:初期投資は必要ですが、ユーザー体験の向上とサーバー負荷軽減によるコスト削減効果が期待できるため、積極的な導入をお勧めします。
5. LazyLoadの実装
LazyLoadは、画面に表示される部分だけを先に読み込み、スクロールに合わせて残りの画像を読み込む技術です。
特に画像が多いページで効果的です。最新のブラウザではloading="lazy"
属性をimgタグに追加するだけで実装できるため、導入の障壁が低くなっています。
6. HTML、CSS、JavaScriptの圧縮
ソースコードから不要なスペースや改行を削除し、ファイルサイズを縮小する手法です。
実装は簡単ですが、効果は他の施策と比べて限定的です。
7. サーバーのアップグレード
コストはかかりますが、根本的な改善が期待できる施策です。
アクセス集中時に表示速度が著しく低下する場合は、サーバーのスペック不足が考えられます。
Webサイト高速化のパフォーマンス計測
サイト速度を正確に評価するには、複数の指標を確認する必要があります。
特に重要な指標は以下の通りです:
- スタート・レンダリング・タイミング:ページの内容が表示され始めるまでの時間。ユーザーの体感速度に直結します。
- ロード時間:ページ全体の読み込みが完了するまでの時間。SEO評価に影響します。
各指標によって最適な改善策が異なるため、まずは改善したい指標を明確にしましょう。
サイトスピード計測ツール
WebPageTest
様々な環境でのパフォーマンスを詳細に分析できる高機能ツールです。
詳しい使い方は以下の記事をご参照ください。
参考 Webサイト高速化のおすすめKPI測定方法。WebPageTestの使い方 | HeyshoGoogle Page Speed Insights
Googleが提供する無料の速度測定ツールです。
モバイルでの評価が厳しい傾向にありますが、Googleの推奨事項が明確に示されるため、SEO対策として有用です。
参考 Google PageSpeed InsightsPingdom Website Speed Test
直感的なインターフェースで使いやすい速度測定ツールです。
測定から結果表示までが速く、手軽に利用できます。
Google Analytics
実際のユーザーデータに基づいたサイト速度指標を確認できます。
実ユーザーの体験に近い数値が得られるため、現状把握に適していますが、ユーザー環境に依存するため、施策の効果測定には向いていません。
「行動」>「サイトの速度」から確認できます。
主要な指標は以下の通りです:
- 平均ページ読み込み時間:ページが完全に読み込まれるまでの時間
- 平均リダイレクト時間:リダイレクトにかかった時間
- 平均ドメインルックアップ時間:DNSルックアップにかかった時間
- 平均サーバー接続時間:サーバーへの接続にかかった時間
- 平均サーバー応答時間:サーバーがリクエストに応答するまでの時間
- 平均ページダウンロード時間:ページのダウンロードにかかった時間
まとめ
Webサイトの表示速度改善は、ユーザー体験向上とSEO強化の両面で重要です。
近年の調査では、サイト速度の改善がモバイル検索ランキングの上昇とトラフィック増加に直結することが実証されています。
主要キーワードで上位表示を達成している場合でも、さらなる競争優位性を得るために、モバイルでの表示速度改善に取り組むことをお勧めします。